自己を見つめ直すことを促しつつ、リードの質は冷静に判断する
現在は主にリード獲得に関するBtoBマーケテイングのコンサルティングを手がけていますが、代表がWeb広告代理店の出身であることから、時折、人材育成に関する依頼も受けています。これらの依頼は通常、社会人基礎教育を終えたばかりの1年目から3年目の営業マンが対象で、主に営業スキルの向上が求められています。
最近の依頼では、Webコンサルティングを主な事業とするWeb系代理店からのもので、対象となるのは3名の営業マンでした。営業の枠組みの中で、コンサルタントとしての役割も果たす必要があり、十分なコンサルティング能力がなければ受注が難しい状況でした。
まずは会話です。3人の営業マンとの対話から、彼らが取り込むリードの質に不満を感じていることが伺えます。人はうまく行かない時、その原因を何か外部の要因に求めがちです。数字を上げることができない営業マンの場合、まずは自分ができないということを認識させることができる営業マンへの第一歩となります。
私たちの主業務であるBtoBマーケティングコンサルティングも併行して実施します。リードの質についてのクレームも、時には根拠があることも認識しています。営業マンがリードの質がよくないという声、それは当たっている場合があるからです。
本当の意味でお客様の立場になって考えるということ
一部のインサイドセールスにおいて、見込み顧客とのコミュニケーションが不足しているというケースが見つけることができましたが、本案件は営業マンのスキル不足が原因でした。お客様の立場に立って考えることができれば多くの場合解決に至ります。それをクセ付かせることで本質的な対応ができるようになるのです。
大学時代、サービス業でバイトしてきた人は比較的、営業が得意だったりします。ただし、ある一定期間すぎるとその差がなくなってくるのです。それはなぜか。それは、本当の意味でのお客様の立場になって考えるということは、相手を気持ちよく接客するというレベルのものではないからです。もちろん、そういったことで取引になるケースは多く存在すると思います。
この依頼された会社はテンプレートの資料で営業するパターンの企業ではありません。ケースごとに課題をヒアリングし、オーダーメイドで提案を作っていく、地道な作業なのです。コンサルティングという無形商材を提案することは非常に難しいです。最終的に、ヒアリングした内容を提案書に反映させるプロセスで、どれだけお客様の立場に立ってアウトプットできるかが重要だと考えています。
ある一人の営業マンは言いました。
「最も困難だと感じるのは、担当者との会話が盛り上がって、それを提案書にまとめたにも関わらず、上長からNGになりましたという連絡。上司を説得できればいいのですが、それがなかなか難しいんです…」
これはよく聞く話です。上司を巻き込めるような営業を心掛けるべきですが、重要なのは、上司の立場にもなって資料を作成しているかどうかです。
本質的なアプローチを教えることで再現性を持たせる
上司を意識して資料を作りこむのはなぜか。基本的には企業というのは何らかの方針、もしくは戦略によって動いていることをまず知らなくてはなりません。興味深い提案や目新しいアイデアは担当者レベルでの話題になりますが、上司は資料や部下からの報告に基づいて提案を評価します。上司は資料と部下の報告で提案を判断します。もちろん、余程面白いと思う提案であれば上長に会える可能性はあると思います。
以下は、営業マンへのフィードバックです。
- ・まずは私たち自身が顧客の問題を完全に理解し、それを資料にきちんと取り込むよう努力しましょう。
- ・問題を解決できる解決策をシンプルに表現しましょう。
- ・顧客の課題から逸脱した、担当者と盛り上がった提案は、最終的にはサブ提案として資料の最後に追加しましょう。
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これらの実践により、直感的に上司へのアプローチの機会が増えたと感じたようです。別の営業マンからも、お客様の立場に立って考え、それが最良の解決策でない場合もあるという意見がありました。しかし、取引のない企業に対して否定され、それを信じる人がどれだけいるのかという点で納得しました。
このように、当社の方針としては、営業テクニックよりも、本質的なアプローチを教えることが多いです。それはこれを学ぶと再現性があるからです。テクニックを使用すると、その場限りの対応になりがちなのです。BtoBマーケティングのコンサルティングで、営業マンの支援活動も行っています。もし興味があれば、ぜひ一度お問い合わせください。