ブランド力や認知度以上に売上に直結する「接点」
マーケティングにおいて、ブランド力や認知度の向上は極めて重要な要素。確固たる理念や事業方針を根底に、それらを体現する地道な企業活動を通して初めて積み上げることができるものでしょう。たった数回で多くのユーザーの心に残るマス広告が今なお数千万円、数億円の価値を持つことが、ブランディングの難しさを物語ります。
ですが、BtoBマーケティングにおいて「知っている」ことと「選ばれる」ことの間には大きな壁が立ちはだかります。壁を超えるために必要なのは、企業や商品の魅力を理解してもらうこと。そして、そのために必要なのが企業とユーザーの「接点」に他なりません。
今回サイトリニューアルの相談をいただいた医療機器メーカーは、創業50年を超える歴史に加え、医療機関や医師の間でも高いシェアと認知度を誇っていました。従来より営業力によって支えられたユーザーとの接点を、Webサイト上でさらに深く、そして増やしていきたい。この大きなミッションの達成に向けて奔走することとなります。
利便性の高さを言語化し、デザインに落とし込む
リニューアルの対象となったのは、取り扱い商品それぞれの詳細説明をメインとしたカタログ型のサイト。カタログ型のサイトにたどり着くユーザーの多くは、「どのような商品を扱っているのか知りたい」「ある商品の詳細を知りたい」のいずれかを目的としています。これらの目的から、求められる「利便性」を紐解いていくわけです。
前者であれば、訪問の鍵となるキーワードは会社名もしくは会社名+商品のカテゴリ。そしてサイトの入口はTOPページ、もしくはカテゴリごとの商品一覧ページとなります。このことと「扱っている商品を知りたい」という目的を掛け合わせることで見えてくるのが具体的な利便性です。商品カテゴリや、導入の目的・ユーザーの悩みにマッチする商品群に、どれだけ直感的に、少ないクリック数でたどり着けるかを意識したデザインがポイントとなります。
一方で後者であれば、訪問のきっかけは商品名での検索となるでしょう。それに伴い、サイトの入口は個別の商品詳細ページが想定されます。この場合の利便性とはすなわち「いかに理解しやすい商品詳細ページとするか」。商品詳細ページの設計ーサムネイルや見出しを中心としたデザインが最も重視する点となります。
利便性の高さ=Googleの評価の高さ
いくら利便性を高めても、感じ取ることができるのは実際にサイトに訪れたユーザーだけ…接点を増やすことはできないのでは?と言われてしまいますね。しかし実際はそうではありません。「利便性」と「接点の増加」を結びつけるのがSEO、すなわちGoogleからの評価となります。
たとえば、一覧ページから目的や悩みにマッチする商品への導線を考えていくと、「目的別商品一覧」「悩み別商品一覧」のようなページが重要な役割を果たします。これらは同時に、会社名を含まない、目的や悩みを軸としたキーワードの受け皿としても機能するのです。あるいは、商品名で検索をした際に競合となりえる第三者の商品紹介ページ。商品を知るきっかけとなる一方、ともすれば誤った情報がユーザーに伝わってしまう難しさを感じる方は少なくないでしょう。商品詳細ページの情報を充実させることで、あくまで公式ページとして真っ先にユーザーの目に触れる可能性が高まる。これも立派な「接点の確保」です。
Googleから「評価基準」として公表されている項目は限られており、かつ抽象的です。しかしその中で当社はここまでに述べた「利便性」が評価につながると確信しています。実際に今回のお客様のサイトリニューアルにおいて大幅なページの追加は行っていないにも関わらず、ローンチ後2ヶ月程度で自然検索経由の流入数が約1.2倍に増加するなどの成果をあげることができました。